無職やニートの方でもお金を借りる方法とは?

「今月の家賃がピンチ」「就職活動を始めよう」など、無職やニートの人でも急にお金が必要になる場面が訪れるかもしれません。銀行や消費者金融のカードローンに申し込んだとしても、何らかの形で働いていなければ無収入として審査に落ちてしまいます。

家族のサポートを得る方法もありますが、実はお金を借りる方法がいくつも用意されているのです。

この記事では、無職やニートの人でもお金を借りる6つの方法について解説します。

無職やニートでもお金を借りる方法6選

  1. 生命保険の契約者貸付制度を利用する
  2. 生活福祉資金貸付制度を利用する
  3. 定期預金を担保にお金を借りる
  4. 不動産担保ローンを利用する
  5. クレジットカードのキャッシング枠を利用する
  6. 質屋を利用する

無職・ニートでもお金を借りる方法
『生命保険の契約者貸付制度』

加入している生命保険によっては「契約者貸付制度」を利用して、保険を解約した時に戻ってくる解約返戻金を前借りできる場合があります。

解約返戻金が設定されている主な保険は、終身保険・養老保険・個人年金保険・学資保険の4種類です。

お金が必要なときにスピーディーに借りられる手段の一つなので、メリット・デメリットを確認した上で有効に活用しましょう。

契約者貸付制度のメリット

契約済の保険を担保とした借り入れなので、職業や収入などに関する審査を受けずに済むのが特徴です。

申し込んだ当日中にお金を借りられる

保険証券の原本や契約者の本人確認書類など必要な書類を用意して、保険会社の窓口で貸付制度の利用を申し込めばその場でお金を借りられます

保険会社によっては、マイページからの申込みや専用カードを使ってATMからの借り入れが可能です。
郵送で申し込む場合は、書類を投函してから保険会社での手続き完了するまで1週間ほどかかります。

カードローンと比べて低金利

契約者貸付制度で適用される金利は年1%台から高くても年6%台で、カードローンの金利と比べて低めに設定されています。
ちなみに、カードローンで10万円を借りた場合の金利は、銀行だと年14%~15%、消費者金融だと年18%~20%に設定する会社が主流です。

返済期日や最低返済額が決まっていない

契約者貸付制度では、返済期日や最低返済額が指定されていません。そのため、お金に余裕がある時など好きなタイミングで返済できます。
窓口での返済の他、保険会社所定の振込用紙を使ってコンビニや金融機関からの返済も可能です。

契約者貸付制度のデメリット

利息が膨らみやすい

契約者貸付制度では複利法で利息を計算します。
低金利のため短期間では発生利息は少なめですが、借入期間が長くなると発生した利息が元金に組み込まれるため、最終的な支払利息が高くなりがちです。

借りたお金を返済しないと保険が失効する

発生した利息が元金に組み込まれた結果、借入残高が解約返戻金の額を超過する場合があります。
保険会社からの督促に応じて返済を行なえば保険契約は継続されますが、返済しないままだと保険が失効してしまうので要注意です。
将来の保障にもかかわるため、早めの返済を心がけましょう。

保険金を受け取れない場合がある

保険契約期間の途中で保険金や給付金・祝い金が給付される場合、返済が済んでいなければ借入残高と相殺されます。
生活・人生設計に狂いが生じる懸念もあるため、契約者貸付制度を利用する際は保険金の給付時期を確認して、必要最小限の範囲で利用するのが賢明です。

なお、契約者貸付制度を利用せず、保障内容を変更する「払済保険」とした上で解約返戻金の一部を受け取る方法もあります。必要に応じて、保険会社の担当者と相談するのもよいでしょう。

失業者の方がお金を借りる方法
『生活福祉資金貸付制度』

失業などで生活に困った世帯に対しては、生活費や必要な資金を国から借りられる「生活福祉資金貸付制度」が用意されています。

利用する前に民生委員や社会福祉協議会への相談が必要ですが、生活の安定に向けた各種相談や就職支援など、心理面でのサポートも継続して受けられるのがメリットです。

ちなみに民生委員とは、厚生労働大臣から委嘱を受け、地域住民の生活に関する相談や、福祉サービスの利用に向けた情報提供などを行なう役割を担っています。

貸し付けを受けられる主な資金の詳細や、貸付対象者・手続きの流れを確認してみましょう。

総合支援資金と福祉資金

失業や収入の減少で日常生活が苦しくなった世帯に各種相談支援を行ない、生活の立て直しが見込まれると判断された場合に、生活費や一時的な資金の貸し付けを受けられる制度です。

生活支援費

生活再建までの間に必要な、食費や日用品購入費用・就職活動費用といった生活費の貸し付けを受けられます。

貸付限度額 月額20万円以内
(単身世帯は15万円以内)
据置期間 6ヶ月
返済期間 10年以内
利子 年1.5%
(連帯保証人を立てる場合は無利子)

住宅入居費

敷金・礼金など住宅の賃貸契約を結ぶ費用の貸し付けを受けられます。

家賃の一部の給付を受けられる「住居確保給付金」への申請が、貸し付けの前提条件です。

貸付限度額 40万円以内
据置期間 6ヶ月
(生活支援費の貸し付けを受けている場合は最大18ヶ月)
返済期間 10年以内
利子 年1.5%
(連帯保証人を立てる場合は無利子)

一時生活再建費

生活を再建するために一時的に必要な費用の貸し付けを受けられます。

就職活動等のスーツ代や家賃・公共料金の滞納分の支払いなどに活用可能です。

貸付限度額 60万円以内
据置期間 6ヶ月
(生活支援費の貸し付けを受けている場合は最大18ヶ月)
返済期間 10年以内
利子 年1.5%
(連帯保証人を立てる場合は無利子)

福祉費

職業訓練費用をはじめ、就職時の運転免許取得費用や住居費、出産に必要な経費などの貸し付けを受けられます。

据置期間は6ヶ月以内、利子は年1.5%(連帯保証人を立てる場合は無利子)です。

主な資金の種類 
※他にも資金種類あり
貸付限度額 返済期間
職業訓練施設や
各種学校等の授業料
(運転免許取得費用を含む)
技能習得期間に応じて
最大580万円
8年以内
自営業を営むための
必要経費
460万円 20年以内
就職や技能習得の
支度費用
50万円 3年以内
冠婚葬祭費用 50万円 3年以内
出産費用 50万円 3年以内

緊急小口資金

緊急かつ一時的に生計維持が難しくなった世帯に対し、必要最小限の費用を貸し付ける制度です。

転職時に収入が減った際の生活費や就職活動時の交通費などに活用できます。

貸付限度額 10万円以内
据置期間 2ヶ月
返済期間 12ヶ月以内
利子 無利子

貸付対象者

低所得世帯

必要な相談支援を受けることで経済的自立が可能と認められ、親族や金融機関等から資金の融通を受けられない世帯が対象となります。

障害者世帯

次のいずれかに該当する世帯が対象です。

  • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている人がいる世帯
  • 障害者総合支援法に基づく居宅介護や生活介護などのサービスを受けている人がいる世帯

高齢者世帯

65歳以上の高齢者と一緒に住んでいる世帯です。

手続きの流れ

生活福祉資金貸付制度を利用する手続きは次のような流れで進みますが、資金の貸し付けまで1ヶ月~1カ月半ほどかかります。

自立相談支援機関や社会福祉協議会に相談する

住んでいる場所を管轄する社会福祉協議会または自立相談支援機関に、生活福祉資金貸付制度を利用したい旨を相談します。世帯の生活状況や貸し付けを希望する事情、貸付後の返済見込みなどを質問されるので、ありのままを答えるようにしましょう。

世帯と社会福祉協議会・自立相談支援機関との信頼関係の構築が、審査の前提条件です。

必要書類を提出して審査を受ける

借入申込書に必要事項を記入し、社会福祉協議会の審査を受けます。

借入申込書には、家賃・公共料金・食費といった月々の生活費や、同居する人の氏名・続柄・生年月日を記入します。

次の添付書類も必要ですが、地域によって追加書類が必要になる場合があるので、事前に担当者へ確認するようにしましょう。

  • 借入申込者(世帯主)の本人確認書類の写しと収入証明書
  • 世帯全員の住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
  • 預金通帳の写し
  • 福祉費の申請を行なう場合は使い道のわかる書類

貸付を受ける

審査に通過した後は、借用書に必要事項を記入した上で貸付契約を結びます。借りたお金の口座振込を希望する場合は、貸付金振込依頼書の提出も必要です。

据置期間経過後に返済を開始する

借りたお金の返済は、据置期間が経過した後に始まります。

基本的には口座引き落としによる返済なので、引き落とし前日までに返済金を口座に入金しておくようにしましょう。

まだまだある!無職やニートがお金を借りる方法

生命保険の契約者貸付制度や社会福祉協議会による生活福祉資金貸付制度以外にも、無職やニートがお金を借りる方法は身の回りにいくつもあります。家族の協力が必要なものもあり、トラブルを防ぐためには十分な話し合いが欠かせません。

どのような方法でお金を借りるのでしょうか。

定期預金を担保にお金を借りる

定期預金の残高を担保にしてお金を借りる方法で、総合口座(普通預金)の機能としてセットできる銀行が多いです。

ゆうちょ銀行では「貯金担保自動貸付け」と呼ばれています。普通預金の残高が不足した際に自動で借り入れるシステムなので、公共料金などの引き落とし時の残高不足を避けられるのがメリットです。

銀行によっては、定期預金だけでなく個人向け国債や地方債も担保にできる場合もあります。

借入限度額は定期預金の残高の90%、借入時の金利は定期預金の利率(金利)に0.5%上乗せしたものを適用する銀行が大半です。借入後は、自分の好きなタイミングで返済できます。

申込み方法

普通預金の通帳と担保にしたい定期預金の通帳を銀行に提示して、自動貸付を申し込みます。本人確認書類と、それぞれの銀行印を忘れずに持参しましょう。

通帳がないタイプの口座を利用している場合は、口座番号通知書を提示すれば問題ありません。家族名義の定期預金を担保にできる銀行もありますが、手続きの際は事前に承諾を得るようにしましょう。

自動貸付を申し込んだ当日から利用可能です。

不動産担保ローンを利用する

土地や建物を所有している人は、不動産担保ローンの利用も選択肢となります。

金融機関によっては、所有者の承諾を条件に配偶者や実父母・兄弟姉妹が所有する不動産への担保設定も可能です。

不動産担保ローンを利用する場合は、担保にする不動産の査定を受ける必要があります。その後、面談などによる審査結果を踏まえて借入可能額が決まる仕組みです。

銀行や専門業者などローンを提供する業者が多数存在するため、融資条件を比較するなど有利な条件で借りられる業者の選択をおすすめします。

商品の特徴

住宅ローンや土地・建物を担保にしたローンを返済中の場合は、担保にしようとする不動産に抵当権が設定されている場合が多く、審査に通過できない可能性があります。

ちなみに抵当権とは、債務が返済できなくなった際に優先的に弁済を受ける権利のことをいい、順位が低くなるほど弁済の優先順位が下がる仕組みです。

低金利といっても、事務手数料や登記費用などを含めると返済総額がカードローンと変わらない場合もあります。

返済不能になった場合には不動産の売却を余儀なくされるため、お金を借りる最後の手段として考えておくのが無難でしょう。

クレジットカードのキャッシング枠を利用する

自分名義のクレジットカードを持っていなくても、カード会社によっては家族カードでキャッシングを受けられる場合があります。

カードの持ち主である本会員の承諾を得る必要はありますが、当座の現金を得る有力な方法でしょう。

なお、本会員のカードそのものを借りて利用することは、本会員の承諾があったとしてもカード会社の会員規約違反となります。家族カードを使ったショッピング枠の現金化も規約違反となるので気を付けましょう。

利用上の注意点

家族カードの利用代金は基本的に本会員が支払いますが、一部のカードでは家族カードの利用者が代金を支払う「利用者支払型」というシステムが採用されています。

その場合、利用者が返済を延滞すると本会員の信用情報に延滞記録が残り、トラブルの原因となるので要注意です。

利用可能額(限度額)は本会員と共有されるため、家族カードの使い過ぎによって本会員の利用に影響が及ぶ場合もあります。

限度額オーバーにより携帯電話料金など定期的支払いの承認が取れない事例もあるため、必要最小限の利用にとどめるようにしましょう。

質屋を利用する

趣味の品物やブランド品など高い価値がある品物を持っている場合は、質屋を利用してお金を借りる方法もあります。

品物の価値に見合う金額を借りられますが、3ヶ月以内に借りたお金と利息を返済しなければ「質流れ」となり、預けた品物の所有権が質屋に移るので注意が必要です。

質流れを前提に、質屋が品物を買い取るサービスも提供されています。品物を管理する手間が省ける分、質入れより高い査定額がつく傾向です。

質屋の利息計算方法

質屋では月単位で利息を清算するため「月利」という仕組みが採用されています。最大金利は1日あたり0.3%、年に直すと109.5%(うるう年は109.8%)ですが、質屋間の競争率が高いため月利1%~5%の設定が主流です。

無職やニートではカードローンでお金を借りることはできない

無職やニートの状態だと、銀行や消費者金融のカードローンでお金を借りようとしても、返済能力がないと判断されて審査に落ちてしまいます。

定期預金・生命保険に代表される金融資産や不動産を持っていたとしても、同様です。カードローンを利用するには、何らかの形で仕事に就かなければなりません。

多くの消費者金融では、雇用形態や勤続年数を申込条件に設定していません。中でもアイフルでは、仕事を始めた後にカードローンを申し込めると明言しています。

パート・アルバイトでも申込可能なので、派遣会社に登録して日雇いの仕事を始めてから申し込んでみましょう。

アイフルの特徴と貸付条件

アイフルは大手消費者金融では唯一、銀行の系列に属していません。

グループ企業にクレジットカード会社(ライフカード)や家賃保証会社(あんしん保証)などがあり、個人向け金融に関する豊富なノウハウを持っています。

そのため、個人の状況に応じた柔軟な審査が期待できるでしょう。

貸付条件(2020年11月現在)

項目 内容
金利 年3.0%~年18.0%
融資金額 1万円~800万円
申込み条件 安定した収入と返済能力のある満20歳以上69歳までの人
審査にかかる時間 最短20分融資(※お申込の状況によってはご希望にそえない場合がございます。)
郵送物なしでの契約 可能(自動契約機での契約、Web完結でのカードレス契約)
無利息サービス あり(契約日の翌日から30日間、初回契約時限定)

まとめ

お金を借りられないと思われがちな無職やニートでも、自分名義で契約している生命保険や定期預金を担保に貸付けを受けるなどの方法でお金を借りられます。

クレジットカードの家族カードで融資を受ける場合などでは家族の協力が必須の場面もあるため、お金に関する十分な話し合いが重要です。

世帯主や独身の場合は、地域の社会福祉協議会による「生活福祉資金貸付制度」により、生活費や就職活動費の借入れが可能です。
使い方次第では無職やニート状態から脱出し、人生の再スタートを果たせるかもしれません。

どうしても消費者金融でお金を借りたい場合は、審査を受ける前に短期間でもアルバイトを始める必要があります。
銀行のカードローンと異なり、申込時の年収や勤続年数の条件がないため、少ない額とはいえ融資を受けられるケースもあるようです。

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よくある質問

無職・ニートでも本当にお金を借りられるのか?

カードローンではお金を借りられませんが、生命保険の契約者貸付や定期預金を担保にした貸付など、無職やニートでもお金を借りる方法はいくつも用意されています。

住んでいる地域の社会福祉協議会に、生活福祉資金貸付制度を利用できるか相談してみるのも一つの方法です。

実家暮らしだけど、生活福祉資金貸付制度を利用できるのか?

お金を借りる人が世帯主であれば、社会福祉協議会の審査を受けた上で貸付制度を利用できます。

生活支援費では、最長12ヶ月間にわたり月20万円以内(2名以上世帯の場合)の貸付を受けられるため、当座の生活に役立つでしょう。

ただし、世帯単位での貸付となるため、個人単位ではお金を借りられません。

クレジットカードの家族カードでキャッシングしても大丈夫?

カードの持ち主(本会員)から家族カードを渡され、キャッシングの許可が出ていれば問題ありません。

家族カードを利用した金額は本会員が支払うシステムなので、利用ごとに報告するのがトラブル防止につながります。

限度額は本会員と共有なので、家族カードを使いすぎると本会員のカード利用に支障をきたすので気を付けましょう。

勤務初日なのに消費者金融に申し込んで審査に通るの?

勤続年数の条件が設定されていない消費者金融業者なら審査を受けられますが、審査に通るかどうかは業者の判断によります。

50万円以上の借入れを希望する場合は収入証明書類を必ず求められるので、少ない額の借入れを申し込むのが無難でしょう。