ショッピングローンとは?しくみや利用方法、注意点について解説!

家電量販店など高額な商品を扱うお店で「ショッピングローンが利用できます」という表示を見かけたことはありませんか?

手元にお金がなくても欲しいものが手に入るショッピングローンですが、どんなしくみなのか、クレジットカードと何が違うのか、利用前に知っておきたい注意点とあわせて解説します。

ショッピングローンとはどんなもの?

ショッピングローンは、その名の通りお買い物の際に組むことができるローンです。

ショッピングローンを利用すれば「購入したい物があるけれどお金が足りない」というとき、店先でお金を借りて支払いを済ませることができます。

パソコン、ブランド品、腕時計、宝石など高額なものを扱うお店で導入されていることが多いサービスで、「ショッピングクレジット」と呼ばれることもあります。

ショッピングローンのしくみ

ショッピングローンは、おもにジャックス(JACCS)やオリエントコーポレーション(オリコ)など信販会社が提供しています。
そうした会社と提携しているお店でのお買い物なら、支払い方法の1つとしてショッピングローンを選択できます。

本来、お買い物をするときは自分が代金をお店に支払って完了となりますが、ショッピングローンを利用すると、自分の代わりに信販会社等が「立て替え」で支払いをしてくれます。

だから、自分の手元にお金がなくても欲しいものが手に入るというわけです。

当たり前ですが、立て替えて支払ってもらった分は、あとから返す必要があります。

お買い物をしたお店との取引は立て替え払いができた時点で終わっていますので、その後は立て替え払いをしてくれた信販会社に対してお金を返していくことになります。

お金の返済は、まとめて1回で支払う必要はなく、複数回に分割して支払うことができます。
たとえば欲しい物の値段が20万円で、もし1回で支払うことが難しいと感じても、ショッピングローンを利用することで1万円×20回の支払いになれば手が届きやすくなるでしょう。

ただし、ショッピングローンを利用するなら信販会社に対して金利や手数料を支払う必要があります。

そのため、自分のお金を使って一括で支払うよりも1回あたりの支払い額を減らすことができても、合計の支払い額としてはショッピングローンの方が高くなります。

クレジットカードやカードローンとの違い

クレジットカードとショッピングローンの大きな違いは、申し込みから利用開始までのスピードです。クレジットカードは申し込みをしてから数日はかかります。
手元にカードが到着するのを待つ必要もあります。

ショッピングローンは、早ければ数分~数十分で完了します。
カードを使って利用するものではありませんので、カードの発行を待つ時間も不要です。
店頭で申し込んで、しばらく時間をつぶせばその場で品物を持って帰ることも可能です。

カードローンとショッピングローンの違い

手軽にお金を借りられる手段として、他に「カードローン」もあります。

ショッピングローン同様「ローン」、つまりお金を借りられるサービスですが、次のような点が違います。

申し込みから利用開始までのスピードは、カードローンは「最短即日(申し込んだその日から利用できる)」をうたっている会社もあり、クレジットカードよりは速いことが多いです。

ただ、ショッピングローンよりは時間がかかります。

ちなみに「カードローン」という名前ですが、カードなしで利用できるタイプもあります。

ショッピングローンは利用したい店の店先やネットショップの決済画面などで申し込みます。

カードローンの申し込みはお店で受け付けているわけではありませんので、自分でカードローンを扱っている金融機関の窓口やホームページから申し込みます。

カードローンは、ショッピングローンやクレジットカードのようにレジで直接支払いに利用できるわけではありません。
カードローンを使って事前に必要な現金を用意してからお店に行って支払うという形が基本です。

カードローンは、所定の金額の範囲内なら目的を問わず何度でも現金を借りられます。現金ですので、当然どこでも利用できます。

ショッピングローンに比べ利用できる範囲が広いのが特徴です。

ショッピングローン同様、お買い物の代金に上乗せして金利を支払う必要があります。ショッピングローンとカードローンのどちらがお得なのか、金利を見比べて比較すればわかります。

金利は、利用するお店、金額、支払回数などによって変わってきますので、できるだけ低いものを選びましょう。

お金が足りないときの対処法は使い分けよう

お金が足りないときにお買い物をする方法は1つではありません。

ショッピングローン、クレジットカード、カードローンなどそれぞれの特徴を踏まえて、そのときどきで適切な方法を選ぶとよいでしょう。

ショッピングローンの利用方法は?

ショッピングローンの具体的な利用方法について整理しておきましょう。

どこで利用できる?

ショッピングローンを扱っているお店で利用でき、店頭で申し込めます。
ネットショッピングの場合は、そのお店がショッピングローンに対応していれば、支払い方法を選択する画面で「口座振替」や「銀行振込」などと並んで「ショッピングローン」を選択できるようになっています。

ショッピングローンで購入したい商品を見つけたら、それを置いているお店が対応しているのかどうかをまず確認しましょう。

どうやって利用する?申し込み方法&返済方法

申し込み方法

店頭やネットショップの画面上で「ショッピングローンをしたい」という旨を伝えたら、次は申し込みの手続きをすることになります。

住所や氏名といった基本的な個人情報を記入したり、希望の支払い回数を選択したりして手続きを済ませます。

申し込みが完了したら「審査」があります。
審査とは、ショッピングローンを提供する会社が利用を申し込んだ人に対して、本当にお金を返してくれる人かどうかさまざまな情報をチェックして判断することです。

審査に通過できなかった場合は、ショッピングローンを利用することができません。
審査は最短数分、長ければ1日かかることもあります。審査結果はお店や信販会社等から連絡されます。

審査に通過できていればお買い物が完了し、欲しかったものが手に入ります。

返済方法

お買い物が完了したあとのことも重要です。

ショッピングローンを利用したら、その後は立て替えて支払ってもらった分を少しずつコツコツと返済していくことになります。

お店によって違いますが、翌月か翌々月から支払いが始まるケースが多いです。基本的に自分が指定した銀行口座などから月1回、自動的に引き落としされることになります。

口座の残高が足りなかったり登録が済んでいなかったりすると、振込やコンビニでの支払いが必要になる場合もあります。

借りたお金を期日どおり返していけるよう、いつからいくら返す必要があるのかきちんと把握しておきましょう。

誰でも利用できる??

ショッピングローンは、誰でも利用できるわけではありません。

先述のとおり、申し込み後に審査がありますので、それに通過した人しか利用できないようになっています。審査についてはこの後の章で詳しく解説します。

また、審査以前に「申し込める人の条件」が設定されていることもあります。

お店にもよりますが、申し込みをする人が以下のような場合は申し込めない可能性がありますので、よく確認しておきましょう。

  • 未成年
  • 学生
  • 収入のない無職
  • 法人

ショッピングローンを利用するときの注意点

 

ショッピングローンを利用するときに知っておきたいのが次の2点です。

審査

ショッピングローンの審査では、申し込んだ人の収入や職業、今までの借入状況や返済状況などの情報をチェックされます。

なかには「在籍確認」といって、申込時に記入した勤務先で本当に働いているのか確かめるために、信販会社等が職場に電話をかけてくる場合があります。
申込時に求められる情報は、嘘や間違いがないよう確実に記入しましょう。

以下の条件にあてはまる方は、審査に通りにくい傾向があります。

  • 収入が低い
  • 雇用が安定していない
  • 他社ですでにたくさん借りている
  • 在籍確認ができない
  • 過去に支払期限に間に合わなかったことがある など

また、クレジットカードやカードローンなら審査は初回だけであとは自由に何度も利用できますが、ショッピングローンは購入する商品1つごとに毎回審査が必要になります。

金利・手数料

ショッピングローン最大のデメリットが「金利や手数料がかかる」点です。

購入した商品の代金に上乗せして支払うのが、金利や手数料です。

いくら上乗せが必要なのかは、利用するお店や支払い回数によって違います。利用前に必ず確認しておきましょう。

【例】ショッピングローンで20万円の商品を購入

支払回数:24回払い
金利:年10%

→ 1回あたりの返済金額:約9,200円

→ 金利や手数料(上乗せ額):約2万1,500円

こうしたシミュレーションは、お店や信販会社のホームページなどで数字を入力すれば自分で簡単にできますよ。

ショッピングローンを上手に利用するポイント

無金利期間を活用する

金利や手数料は、お店によっては「○回払いまでは当社で負担します」などとして、実質負担なしで利用できることがあります。

キャンペーンとして一定の期間や商品に限定して行われている場合もありますので、情報を掴んでうまく活用したいところです。

購入したいものが決まっているなら、それを扱っている複数のお店のショッピングローンを比較して、できるだけ自分に有利な条件になっているお店を選びましょう。

支払い回数はなるべく少なく

ショッピングローンでは、利用した分を何回に分けて返済していくか自分で選ぶことができます。

支払い回数を多くすると1回あたりの返済額が少なくて済みますが、そのぶん返済完了までの期間が長くなり、上乗せして支払う金額が大きくなります。

無理なく返せる範囲で、できるだけ少ない回数に設定しておくのがおすすめです。

もし余裕が出てきたら「残金の一括払い(残りの代金を全額まとめて支払う)」ようにすると、金利の負担を最小限に抑えられます。

利用するなら計画的に

ショッピングローンは手続きも簡単で比較的気軽に利用できるローンですが、「お金を借りている」ということには変わりません。

なるべく利用せずに済むよう普段から貯金を心がけたり、利用するにしても「借りすぎ」や「返済不能」にならないよう注意したりすることが大切です。

利用前に必ず、いくら借りていつまでいくらずつ返済が必要になるのかを把握し、自分の収入や家計の状況などを踏まえて、問題なく返済できるか考えるようにしましょう。 

まとめ

ショッピングローンは、手元に現金やクレジットカードがない状態でもお買い物を済ませて、その代金を分割払いにできるサービスです。

高額なものを買うときに役立って便利な反面、利用後は金利や手数料を上乗せして支払っていくことになります。

「お金を借りている」という自覚を持って、計画的に利用するようにしましょう。